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これは私が一番憤りを感じているポイントなのですが、当時も今も、教員採用試験で求められるのは知識一辺倒に偏っています。 

もちろん、現場で必要となる知識の有無を見分けるのは重要なことなので、知識の有無を見ようとする取り組みに大きな不満があるわけではありません。

私に不満があるとすればそれは、これまで知識ばかりを追求されていて、学級運営についてはほとんど実践的な技術を持たない段階であるのにも関わらず、採用後はいきなり担任として子供たちを任せようとするこの仕組みについてです。

私は、採用後、いきなり小学校1年の担任になったのですが、補欠採用だったということもあり、採用が確定してから1週間後に新1年の担任として入学式に出席しました。

クラスを運営するスキルをほとんど持っていなかった私の1年目、2年目のクラスの状態と来たらそれはもう厳しい状態で、地獄のような思いをしました。私も大変な思いをしましたが、私以上に大変な思いをしたのは子供や保護者の方々でしょう。今でも、当時のクラスの関係者には申し訳ないことをしたと思っています。

30人から40人の子供たちのいるクラスを運営するには極めて実践的なスキルが必要とされるものです。このスキルは本を読んだり、情報を繰り返し頭に入れて覚えれば身につく類のものではなく、繰り返し、繰り返し、子供たちと関わっていくことで、ようやく少しずつ高まっていきます。

教員を希望する学生たちが現場に入る前段階で得られる実践の場というのは限定的であり、自分で塾やボランティアなどを通じて教えてきたという経験がある人を除けば、教育実習がほぼ全てというのが実際のところでしょう。

 

たまたま担任した子たちが大人しい子たちであったり、よっぽどその教員にもともとの指導力があればまだクラスは運営できるかもしれませんが、クラスの中に指導が難しい子が入っていたり、その教員が厳しく指導するのがあまり得意ではなかったりという状況下では、多くの場合、クラスが乱れ、時には学級崩壊にまで発展します。 

採用試験段階では、知識を重視するのであれば、担任が現場に入る前にどこかで実践的なスキルを高められるような機会を設計することが必要でしょうし。

もしくは採用試験自体に、実践的なスキルの高さを問うような仕組みを作るというやり方もあるかと思います。

いずれにしても、実践的な指導力の低い教員が担任をするというのは、子供たちからしてみたらたまったものではないことだと思います。

現場において、高い指導力を担保できるようにするために、採用の段階、そして採用後にできることはまだまだあるのではないかと感じています。

 

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