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教員時代、いつも不思議に思っていたことがありました。

それは、「毎日が6時間授業であり、授業終了は16時近く。そこから職員会議があって、学年の打ち合わせがあって、授業の準備があって。。。という環境下で、どうやったら毎日勤務時間内に仕事が終えられるのだろうか」ということでした。

教員時代、何人かの先輩方から「勤務時間内に仕事が終えられない人は仕事が遅い」という話を聞いたことがありました。

確かに、仕事を効率的に行うことができないのは問題だし、仕事が遅いことは改善ポイントであることには納得できるのですが。そもそも、最初から固定されている業務量だけでも勤務時間をはみ出しそうな勢いで詰まっているというのが私の実感でした。

とすると、ここからはみ出さないようにするためには、例えば

・授業中、こどもに作業をさせている間に、子どもの様子を見るのはやめて、自分は何か別の作業を行う。

・授業の準備は極限まで時間を省き、手がかかることはしないようにする。

・悩みや問題を抱えている生徒の話も、必要に応じて話を聞くのを止める。

といった作業を行うしかないように思います。

当時の私は、そう思いながら、「でも、これは果たして良い教育活動と言えるのだろうか。。。」

と、毎日のように会議が終わった後、教室に残っては一人で授業の準備や子どもの作品に目を通しながら考えていました。

作業効率を上げることで業務時間を減らすことは確かに可能かもしれません。が、それだけでは到底無理であるほどの業務量が現場にはあるのではないかと思います。最初の設定でこれですから、もし子供たちの間に何らかのトラブルが起こった時、保護者の方から何らかの要望が発生した時には、なおのことです。

また、作業の効率を上げるためには、様々な仕事上のスキルが求められます。

・重要度の高い仕事と、そうでない仕事を精査しえり分けるスキル。

・外部から教材を入手するための調べる力や、人とのつながり。

仕事が二度手間、三度手間にならないように仕切っていくには、仕事の進め方全体についての見通しや計画性を持つことなしには実現できません。

これらのスキルは、一人で苦心しているだけで身につくものではなく、職場の先輩から習ったり、仕事にまつわる本を読むことで高まっていくのが一般的です。

 

今でこそ私は民間の企業で仕事をしているので、いろいろなところから学ぶ方法を理解できるようになってきましたが、当時、学校現場で働いていた頃の自分にはそれらの知識や知恵にアクセスすることは難しい状況にありました。 

学校の先生たちの忙しさを解消し、ワークライフバランスを実現するには、どのようなものが必要になるのか。これは、難しい問題だなと感じています。
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(森本康仁=文)

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