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【部活動が大好きだからこそ、感じ始める問題点】

内田 部活問題対策プロジェクトの先生たちがおっしゃっているのは、最初は部活動にのめり込んだっていうんですよね。つまり、良かれ悪しかれそこにのめり込んでしまう構造があるわけです。スポーツが嫌い,部活動が嫌いだから,プロジェクトを立ち上げたわけではない。
一回ぐーっとのめり込んで、気づいたらプライベートがない、土日がない、いったい自分はどうなっているんだと。だから部活動が嫌いということでは全然ないんですよね。部活動が好きだったからこそ、問題を感じるようになったというところが大事だと思います。

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長沼 教員時代の私も、実はそうだったんですよ。自分が学生だった頃、部活動で自分自身がいい思いをしましたし、部活動大好きだったので、教員になってから一生懸命やりました。しかも、私はそのあとに大学の教員として教員養成をしていましたので、「君たち、中学の教員になったらね、20代の教員は、部活動は絶対だよ。」と、10年以上ずっと言い続けていたんです。
去年、我にかえりましたよ。内田先生や、部活問題対策プロジェクトの方々から教わったのかな。「あ、当たり前が当たり前じゃない」と思った時にね、何をやっていたんだろうと思って。初めて言いますが、ちょっと懺悔の気持ちもありました。

内田 これ今日の特ダネじゃないですか!
学校問題も部活動問題もそうなんですけど、私が発言すると、どうせ内田は組体操が嫌いなんだろう、部活動が嫌いなんだろう、柔道が嫌いなんだろうと、片付けちゃう人がたくさんいるんですよ。しかし、長沼先生は、2年前までは、部活動が素朴に好きだった。でも,SNS上での声に耳を傾けるなかで,部活動の負の部分にも関心をお持ちになった。部活動のことが大事に思うからこそもっと良いものにしたいと、仰って下さって。部活動も組体操も大好きだからこそ、問題の部分を少し良くして、全体を健全にするという取組みが必要なんだろうなと。だから現場の方々,とくに部活動に積極的に取り組んできた方々が声を上げるというのが,すごく大事だと思うんです。

【現場の外の人にも知ってもらいたいこと】

―― こういった教員の苦しみや葛藤が、保護者や社会の人たちにどれだけ知られているかというと、今は大きなギャップがあると思うんですけれども、 教育の現場にいない人たちには、どういったことを知ってもらう必要があるでしょうか。

内田 部活動ってあって当たり前のものなので、教育者としてそれこそ指導するのが当たり前、 指導しない人はもうダメだって言うような、 そういう固定観念って結構あると思うんですよ。でも、部活動って一体何だったのかというところからやっぱりここはちゃんと押さえておかないといけない。 それこそ部活動問題は、教員の中核的な本来業務ではないはずだ、あるいは自主的な活動に過ぎないんだ、ボランティアなんだ、というところからスタートすべきですよね。

長沼 私は、実態を知ってもらいたいですね。 たとえば、「部活離婚」という言葉があるんですよ。そして「部活孤児」、「部活未婚」、「部活未亡人」。 これ別に比喩ではなくて、現実に存在するんです。こういう実態を、やはり知っていただきたい。1年間のなかで休みはお正月3日間だけで、あとはずっと土日もない。それは離婚するわと。

内田 部活動問題は、生徒の負担と先生の負担の両輪で回していったほうがいいのかなと思うんです。基本的にどちらも「自主的」と言う名のもとですごい負荷がかかっているので、その負荷をお互いに減らしましょうよと。そうやって、生徒の側も先生の側も「なんかおかしいね」と気づくのが大事かなと。「超過勤務で大変だ」と言うと、「何を楽しようとしてるんだ」と言うような人たちもいるので。今回の「超」職員会議では先生の立場が中心になると思うんですけれども、その両方が必要かなと私は思っていますね。

長沼 子どものことをやるんだったら、「超」生徒会とか。(笑)
②
内田 「超」生徒会、すばらしい!

長沼 またそこで生徒の本音聞けますもんね。全員加入は嫌だ、とか。

内田 組体操の問題に取り組んでいてつくづく感じるのは、組体操問題は本当にシンプルだなと。部活動の論点の多さといったら、比較にならない。最初に私がこの問題に着手したのは2年位前かな、その頃はどこから手をつけても30〜40年はかかるかなと思っていました。ただ,このところは部活動問題への関心が高まっているのを感じるので,もう少し早く解決するかも、って思うようになりました。

【「超」職員会議への期待】

長沼 私は絶対に解決策があると思うんです。生徒や保護者、先生方や校長、周りの人がみてもいいやり方というのが見つかると思います。だからいろんな立場の人が来るといいですよね。

内田 私も、きっと答えが見つかると思っています。

③長沼 そうですね、内田先生がまな板の上にのっけてくださって、これから皆でどういう風に切っていこうかということを、これからみんなで一緒に考えていけるというのが楽しみですよね。

内田 それが「超」職員会議の魅力ですよね。

長沼 これ、当日は匿名の参加もオッケーなんですか。

―― そうですね。安心して参加していただくことは大事なので、ニックネームであるとか、何か安心できる形で参加できるようにするといいかもしれません。

内田 これすごいですね。これまでの意見というのは、どれも組合経由だったんですよね。これまでは、全国の先生たちが集まって声を上げるという場がほかになかったので、このイベントは全国初ということで宣伝しなきゃいけない。先生たちが個人で声を上げ始めた、しかもネットではなくてついに集結したぞ、みたいな。

長沼 教員の生の声が聞きたいですからね。ネット上だと、ひょっとして嘘かもしれないと、疑おうと思えば疑えてしまいます。
でも今回は違うんじゃないかな。本当に先生が来て、声を上げる。ぜひ声に出していただきたいですね。

―― 内田先生、長沼先生ありがとうございました。

皆さん、9月24日(土)会場でお会いしましょう。

 

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【内田良×長沼豊対談 】まだ部活動で消耗してるの?(1)
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