404 代表の言葉 | 「超」職員会議2016
9月24日に開催!学校現場の問題解決に向けたシンポジウム「超」職員会議2016

代表の言葉

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「子供と向き合う」教育の原点を取り戻そう  森本 康仁

私の最初のキャリアは、小学校の教師です。東京都で9年間ほど、学級担任として子供たちへの教育活動に従事していました。

当時の私を突き動かしていたのは、何よりも「質の高い教育活動を行うことで、子供たちが学習に没頭できるように、そして自らの成長を楽しめるようにしたい!」という想いでした。

「もっと面白い授業を作りたい!」
「もっと子供たちの心に寄り添いたい!」

しかし、実際に学校現場で経験したのは、子供たちが受ける授業の「質」には何の関係もない膨大な量の事務仕事や、繊細な指導を要する児童や家庭への対応でした。これらへの対応に追われて、本来ならば真っ先に力を入れるべき教育活動に力を注げない実情を目の当たりにしたのです。

学校現場が抱える問題には、子供を持つ人びとだけでなく、子供を持たない人びとも関心を寄せています。それは、資源のない日本において「人」こそが最高の資源であり、教育課題の解決は私たちにとって最重要課題の一つだからではないでしょうか。

学校現場には、いじめ問題・学級崩壊問題・新しいカリキュラムが導入されるたびに生まれる混乱など、様々な構造的課題が存在しています。そして、これらの問題が教育の質を下げている現状があります。これらの問題を放置することで、結果的に学校現場が失うものの多さは計り知れません。

これらの諸問題は、現場の教員たちが各個人で対応しても到底解決できるものではなく、教員・保護者・教育行政・研究者らが力を合わせて解決に向けて取り組むべきであると、私は考えています。そこでこの度、学校現場に存在する様々な構造的課題の解決に向けて一歩でも前進するために、ある一つのプロジェクトを始めることにしました。

私たちが企画したシンポジウム「『超』職員会議2016」は、学校現場に存在する様々な構造的課題をテーマとし、教育への課題意識を持つ人びとが集まって話し合い、解決への道筋を探求することを目的としています。私たちは、このシンポジウムを皮切りとして、日本の抱える教育課題を一つでも解決に導いていけることを願っています。

「誰か」が動き出さない限り、学校現場が抱える問題は今後も放置され続けるでしょう。もし、私たちの想いに賛同いただけましたら、ぜひこの会議に参加してください。そして、あなたの声を聞かせてください。

「超」職員会議2016 共同代表 / 元小学校教諭 / ミテモ株式会社 シニア・ディレクター
森本 康仁

 

 


「日本の教員は世界で一番忙しい」――― 杉山 史哲

ここ数年、日本の教員があまりに多忙だということがメディアで大きく報じられるようになりました。

そのきっかけとなったのは、2014年6月にOECDが発表した「国際教員指導環境調査(TALIS)」の衝撃的な結果でしょう(※1)。

この調査によって、日本の教員は1週間あたりの仕事時間がOECD加盟国の中で最も長い(53.9時間)にもかかわらず、指導・授業に使った時間は調査参加国平均(19.3時間)より下回っている(17.7時間)という事実が明らかになりました。また、調査結果の中でも特に目立った点は「日本の教員は一般事務業務と課外活動の指導時間が長すぎる」ということでした。一般事務業務はOECD平均の約2倍、課外活動の指導については約3倍もの時間がかかっているのです。

多くの先生方は子供が好きで、あるいは教えることが好きで「先生」という職業を選んだはずです。それなのに、子供と向き合う時間や教材研究に充てる時間が十分にとれないのは悲しいことです。また、労働環境という側面では、十分に休みが取れないということも重大な問題です。

このような学校現場が抱える課題に対して、国も2016年に「次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース」(※2)を設置するなど、様々な取り組みをスタートさせました。このような取り組みについては今後、文部科学省をはじめとする関係者の方々の功労に大いに期待したいところです。とは言うものの、国レベルでの改革は綿密な議論が必要ですから、実動まで時間がかかるのが常です。現場の先生方の多忙は、今後しばらくは続くことでしょう。

報道などによって、教員の多忙化という問題が世間にも少しずつ浸透しはじめました。「”先生”なのだから頑張ってほしい」という声も根強くあります。こういった世間の期待には応えていくべきですが、今重要なのは、まず先生方が「適正な労働時間・労働環境」で、充実感を持って働ける状態を整えることではないでしょうか。

そこで、本シンポジウム「『超』職員会議2016」では、教員の多忙化の原因となっている諸問題を取り上げ、現場レベルでどのように解決しうるのか、参加者の皆さまと共に模索したいと考えています。私たちと共に考え、共にアクションを起こしてくださる方々のご参加を、心からお待ち申し上げます。

 

最後に、私個人の体験を書かせてください。

私は2015年4月から1年間、大阪市の公立小学校に「教頭の校務に関する業務を行う非常勤嘱託職員」として勤務しました。教員の多忙化という問題はどのような構造で生じており、どのような解決策があるのか、教頭が行う校務を通じて考えたかったからです。

私は1年間の校務で、計2107通の電子文書を受け取りました。郵送でも毎日3〜5通程度の文書が来ましたので、合計すると約3000通もの文書を受け取ったことになります。しかし、この約3000通の文書を一つずつ見ていくと、わざわざ文書で送る必要がないものや、内容が重複しているものまであるのです。

なぜ、このような事態が発生するのでしょうか。私は、この原因は「人」による問題というより、従来のやり方の踏襲という「慣習」や文書を発送する部署間の「連携」の問題など、「システム」によるところが大きいのではないかと考えました。また、校務上の問題は、制度自体を大きく変える必要はなく、関係者たちが今より少しだけ踏み込んで「工夫」することで十分改善できるとも考えました。

以上のことはあくまで教頭の校務における事例ですが、教員の多忙化問題も、構造的には近いのではないでしょうか。「以前からそうなっているから」と無反省に踏襲されている慣習やシステム、本当はさほど必要ではない業務や、もっとうまくすれば軽減できる業務が身の回りにありませんか?

そして、これらの問題は「誰が悪い」というものではなく、慣習やシステムが古くなり、現状にそぐわないことが原因ではないでしょうか。

システムは、人を働きやすくするためのものです。だからこそ、定期的にメンテナンスしていく必要があるのです。そうしなければ、かえって人をがんじがらめにしてしまいます。システムの中で働く個人がシステム自体を作り変えるには、勇気や根気が必要です。しかし、問題意識を持つ人びとで手を取り合い、共に立ち向かうことができれば、きっと改善していけます。

このシンポジウムをきっかけとして、先生方が、先生方の手によって、システムを作りかえていけるような「大きな流れ」を生み出していけたら、と考えています。

 

(※1)出典:「TALIS日本版報告書『2013年調査結果の要約』」(国立教育製政策研究所)

http://www.nier.go.jp/kenkyukikaku/talis/

(※2)出典:「学校現場における業務の適正化について」(平成28年6月17日 通知) (文部科学省)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/uneishien/detail/1372315.htm

杉山さん写真「超」職員会議2016 共同代表 / 株式会社FREED 代表取締役社長
元大阪市立玉川小学校 教頭補佐

杉山史哲

 

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